サウナの医学

“ととのう”とは

サウナも水風呂も人体にとっては超緊急事態。「超暑い→超寒い」をジェットコースターのように繰り返します。そして、水風呂から出た後の休憩では、体が緊急事態を脱したと認識して、大きく副交感神経が活性化します。つまり、ホッとして通常では得られないくらい深くリラックスできます。これが”ととのう”の正体。しかも最新の研究結果では単にリラックスできるだけではなく、脳が活性化するという結果が得られています。

つまりサウナには、脳の疲労を取って、さらに、脳の機能を高めることが期待でき、実際にフィンランドの研究では認知症になるリスクが約7割減少するなど大きな健康効果があることが知られています。

“脳疲労の回復”とは

人間の脳は実は何も考えていなくても80%ものエネルギーを消費しています。つまり脳がアイドリングしているだけで勝手に脳が疲れていきます。この勝手に疲れる脳を休めるためにはサウナが最適!サウナでは熱い環境に適応するために脳が働きますが処理する情報としてはとても少ないために脳がごちゃごちゃ考えられなくなり、結果として脳が休まります。

医学的に正しい最強のサウナ術

  • ・「サウナ→水風呂→外気浴」を3〜4セットが基本
  • ・80〜90度のフィンランド式サウナが最強
  • ・サウナ室を出る時間は心拍数を目安にするのがベスト
  • ・水風呂の温度は16〜17度がベスト
  • ・水風呂を出る目安は、気道がスースーしたら
  • ・外気浴は「気持ちよさ」最優先でなるべく横になる
  • ・真正「ととのい」タイムは約2分

加藤 容崇(医師、日本サウナ学会会長 通称:サウナ教授)

【PROFILE】 北海道大学腫瘍病理学分野にて博士号取得。同教室にて特任助教として勤務ののち、米国ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院腫瘍センター勤務。帰国後、北斗病院と慶応大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニットとの兼任にて勤務。2020年3月、サウナ本を出版